お題に回答してみる。

  • 2019.05.27 Monday
  • 01:35

ブログのネタが欲しくて、ツイッターで募集してみた。ありがたいことにいくつかお題を寄せてもらえた。今回はその中から、簡単に答えられそうなものに回答してみる。

 

 

 

Q.アンダーバーとダブルクォーテーションの能力を教えてください!

 

A.思いつかないんですよね……。

 

アンダーバーはなんか、何かと何かを繋ぎ合わせて別の力を生み出す能力、とか考えたんですけど、熱血系のキャラの戦い方にしては地味かな〜ってところが気になって、自分的にはイマイチなんですよ。

 

ダブルクォーテーションはマジで思いつかないっす。なんか良いのあったら教えてください。カッコいいのおねしゃす。

 

 

 

Q.最近見た雲の中で一番おいしそうだったもの

 

A.雲!?普段あんま見ないかもしれない!

 

慌てて美味しそうな雲を探して空を見たら、ひらがなの「く」みたいな形の細長い雲があったのがなんか面白くてムフフフフって一人で笑ってました。平和で良いですね。

 

 

 

Q.ニワトリ愛

 

A.思いつく限り挙げてみた。

 

・美味い
・安い
・可愛い
・高級なやつとスーパーで売ってる安いやつの味の差がそんなにわからんのでお得感がある(※貧乏舌の意見)
・「食いてえ〜!」って思ったとき、コンビニに入ればすぐ摂取できる。ホットスナックのからあげとかで。
・美味い
・とにかく美味い
・美味いんだよな……。

 

愛っつうか……欲しか無いかもしれないな……。

 

 

 

Q.プリキュアと戦う悪の幹部のほうになりたい38才男児なのですが、40才になるまでに夢を実現するにはまず何をするべきでしょうか。

 

A.ねえ、この質問だけなんか濃くない???

 

悪の幹部になる方法……わからねえ……ごめん……。私とあなたがすごく良い友達になれそうとか、そういうことしか私にはわからねえ……。

 

あと自分、腐ってもプリキュアなんで……。悪の道に走ろうとしてる人が目の前にいるのに、放ってなんておけないよ。

 

この世界には、悲しいこともいっぱいある。だけど、希望を捨てないで。そうすればいつか、輝く未来がやってくるはずだから!!

 

(突如、虹色に輝き出すキュア八海山)

 

(キュア八海山から溢れ出た光が、38歳男児を優しく包む。するとどこからか、変身バンクの音楽が流れだす)

 

(音楽が収まった後、そこにはきらきらと紅潮した顔で呆然と、「私が……プリキュアに……?」と呟く、衣装に身を包んですっかりプリキュアへとみちがえた、38歳男児の姿があった……。)

 

 


………。

 

 


地獄か???

 

 

 

ちなみにお題を募集するのに使ったサービスはこちらhttps://odaibako.net/u/chabobunkoです。良かったらなんか気軽に構ってください。

アンダーバー&ダブルクォーテーション

  • 2019.05.25 Saturday
  • 16:51

叫んだときに一番カッコいい記号の名前は、「アンダーバー」だと思っている。漫画とかアニメの必殺技っぽい。ぜひポーズを決めながら、ヒーローの必殺技のように、高らかに大声で叫びたい。必殺!アンダー・バー!!

 

そんな話を夫にしたら、「ダサくない?」と一言で斬って捨てられた。いささかムッとした。じゃあ、どんな記号がカッコいいのか言ってみろってんですよ!啖呵を切ると、夫は少し思案してから、ぽつりと呟いた。

 

「ダブルクォーテーション」

 

思わず口に手を当て仰け反りながら、ッヒィ〜〜〜!!!と情けない悲鳴をあげてしまった。カッコいい。これは確かにカッコいい。負けた、と思った。今までカッコいいと思っていたアンダーバーが、ダブルクォーテーションに比べると世代一つ分くらいはダサく見える。オモチャ売り場で子供たちが群がり、品薄状態のダブルクォーテーションの隣で、半額セールの在庫が山積みとなった寂しいアンダーバーの姿が瞬時に脳裏をよぎった。

 

アスタリスクもカッコいい、と夫は続ける。だがしかし、この意見には少しばかり反発させてもらった。アスタリスクは逆にあまりにカッコ良すぎると言うか、アスタリスクがカッコいいことは既に万人の知るところである。目新しさに欠ける。そう指摘すると、「能力による」と夫はさらに反論した。

 

「アスタリスクは……その魂に星の力を宿せし者の能力……。だからなんか……すごい強い星の力とかが……使える!!」

 

魂に宿りし星の力。こんなカッコいい響きに心ときめかない小学生がいるだろうか。目新しさに欠けようがなんだろうが、やはりカッコいいものはカッコいいのだ。いや、小学生ではなく、もうアラサーなんですけども。

 

パソコンのキーで言ったら、デリートもカッコいい、とさらに夫は続ける。私は思わずもう一度口元を押さえた。デリートの能力をその身に宿せし者の悲劇的な運命に、一瞬で思いを馳せたからである。

 

彼はこの世の万物全てを指先一つで消去、“デリート”してしまう、最強の能力者である。絶対、「俺には感情が無い……この能力(ちから)で、自分の心も“デリート”したんだ」とか言う。間違いなく敵キャラだ。能力を駆使し、冷徹な殺戮を繰り返す彼には、アンダーバーとダブルクォーテーションのバディも随分と苦しめられた。

 

しかし戦いの中で、デリートに変化が訪れる。彼には昔、恋人がいた。しかし彼は自分の能力を制御できなかったことで、その恋人をも“デリート”してしまう。デリートが感情を失ったのはその一件からだった。つまり彼は、自分の心を“デリート”してしまったわけではなく、事件のショックから心を閉ざしていただけだったのだ。

 

そのことに気づいたデリートが選んだのは、戦いを止め、今度は正真正銘、自分自身を“デリート”することだった。ボロボロの体で必死に制止するアンダーバーに、無表情だったデリートは初めて微笑みを浮かべて見せた。

 

「あいつと同じところに行かせてくれ……」

 

その表情はとても穏やかだった。それでもなお彼を止めようと、力を振り絞って手を伸ばすアンダーバーを、今度はダブルクォーテーションが必死に押し留める。わずかに届かなかったアンダーバーの指先で、デリートの姿はフッと掻き消えた。

 

 

後日、とある都内の霊園に訪れたアンダーバーは、その片隅で意外な人物を見つけた。

 

「……ダブルクォーテーション」

 

ぽつりとその名を呟く。ダブルクォーテーションは振り向き、「あなたが来るとは思いませんでした」と淡々と呟いた。

 

「……こっちのセリフだ、それは」

 

不貞腐れた返事をしてしまった気まずさを誤魔化しながら、アンダーバーはダブルクォーテーションの隣に並び、一緒にしゃがんで手を合わせた。

 

墓石に刻まれた名前の内には、デリートの名も並んでいる。

 

「……消えちまったからな、あいつ。居ないところで拝まれても、何とも思わねえかもしれないが」

「良いんじゃないですか?こういうのは、残った側が気持ちの整理のためにやるようなものですから」

 

残った側。それは即ち、自分たちのことか。そう考えると確かに、この霊園に自然と足が向いてしまったのも、デリートのためというよりは自分のためであるような気がする。

 

ちらり、とアンダーバーは、隣で目を閉じるダブルクォーテーションの端正な横顔を盗み見る。つまりこいつもまだ、気持ちの整理が付いてないってことなのか。

 

デリートを助けてやれなかった。その悔しさをつい、ダブルクォーテーションに八つ当たりでぶつけてしまった。どうしてあのとき、俺を止めたんだ!デリートが消えた後、ついさっきまで彼が立っていた地面を殴りながら、そう言って悔し涙を流すアンダーバーから、ダブルクォーテーションはただ黙って目をそらすだった。それから喧嘩別れみたいになって、ダブルクォーテーションとは暫く顔を合わせていない。

 

普段から、ダブルクォーテーションとは喧嘩ばかりだった。成り行きでバディを組むことになったものの、互いに不満たらたらだった。一回りも世代が違えば、性格も違い過ぎた。年上で情に脆く、熱血漢のアンダーバーをダブルクォーテーションは鬱陶しがったし、年下で妙に冷めたところのあるダブルクォーテーションの生意気さを、アンダーバーは「ヒーローには向かない」と頑として認めなかった。

 

二人の言い合いはいつも激しかった。アンダーバーはダブルクォーテーションに対して、「お前には血が通ってない」なんて、それこそ冷たい物言いをすることさえあった。でも、だからこそあの日……デリートが消えたあのときには、ダブルクォーテーションに対して突っかかるような真似をしてはいけなかった。いつもならすぐに皮肉な憎まれ口で言い返してくるダブルクォーテーションが、じっと口を噤んだままだった。そこでようやく、この若者も自分を責めているのだと、鈍感なアンダーバーは自分の大人げなさに気付いたのだった。

 

「……悪かったよ、あのとき」

 

言いあぐねて曖昧な表現になったが、同じことに思いを馳せていたのだろうダブルクォーテーションには、それで通じた。ダブルクォーテーションは眼鏡の縁を指で軽く押し上げながら、「こっちこそ」と口を開いた。

 

「すみませんでした。あのとき僕があなたを止めていなかったら、もしかしたら、デリートは助かって……」

「いや、謝らないでくれ。あのときはお前が正しかった。もしお前が止めてくれなかったら、あいつの能力に巻き込まれて俺も“デリート”されていただろう。今頃は俺も墓の下だ。だから……ありがとうな、ダブルクォーテーション」

 

照れ隠しに、帽子を目深に被りなおしながら頭を下げる。もっと早く、自分から謝るべきだった。アンダーバーはもう一度、自分の大人げなさを恥じた。大人げない、なんて、ダブルクォーテーションにいつも喧嘩のたびに言われていたはずなのに。今さらのように身に沁みた。

 

「今度からは、冷静になるよ。お前みたいに」

「いえ……そんな必要は、無いんじゃないですか」

「?」

「あなたの、良いところだと思いますから。その、熱血で、情に厚くて、向こう見ずなところ。まあ、鬱陶しいときも多いですけど……」

「余計なお世話だ」

 

思わずいつものようにムッとする。ダブルクォーテーションは、至極真面目な顔で続けた。

 

「でも、心を失くすのは怖いことだって、彼が……デリートが教えてくれましたから。僕の隣には、あなたみたいな人が居てくれると、きっとちょうど良いんです」

 

アンダーバーはきょとんと目を丸くした後、ダブルクォーテーションに向かってニッと笑ってみせた。ちょうど同じことを考えていた。もしかしたら自分たちは、良い相棒になれるのかもな、と。

 

ダブルクォーテーションも、珍しく唇に笑みを浮かべていた。「行くか」「ええ」声を掛け合って立ち上がる。次なる強敵が、自分たちヒーローを待っている。

 

二人が背を向けて後にした墓石。細く二本の線香の煙が立ち昇るその向こうには、デリートの名の隣に並んで、かつての彼の恋人の名も刻まれていた……。

 

 

 

 

 

 

あの。

 

合ってます?こんなんで。

 

見たことないけどこんな感じの話かなって、何となく勝手に思ってるんですけど。タイガー&バニー。

 

 

 

魔性のサッ●ロポテト

  • 2019.05.17 Friday
  • 19:17

家のトイレに入ったら、床の上に、カルビーのサッポロポテトの空き袋(言わずもがな食べ終わった後の)が放置されていた。見つけた瞬間、思わず固まった。

 

自分ではない。この家は私と夫の二人暮らしである。となれば、犯人は一人しか居ないではないか。

 

あの人、トイレでスナック菓子食ったの?マジ?

 

「便所飯」という言葉がある。友人の居ない、もしくは一人が好きな学生が、人目を避けてトイレの個室にこもり弁当を食べる行為を指す。

 

故に「便所飯」という言葉には何となく物悲しさが漂うが、対して「便所サッポロポテト」はどうだ。もはや欠片の悲壮感も無い。本来ならば孤独をかこつはずのトイレで飯を食うという行為で、あえてサッポロポテトを食らう。別にリビングで談笑しながら、くつろぎながら食べて良いはずのサッポロポテトを、あえて孤独にトイレで食す。その行為には、もはや堂々とした威厳すら漂うではないか。孤独を恐れずむしろ味わい尽くす、王者の風格だ。

 

いや、やっぱただ単に不衛生だから止めてくれや。

 

そんなことを思いながら、でも心のどこかでは、流石にトイレでサッポロポテトを食べたわけではないだろうと思っていた。トイレの床に袋が転がっていたのは、何か他に理由があるのだろう。ゴミをまとめようとして、トイレにまでゴミを持ってきちゃったとか、何かそんな感じで。だってトイレでサッポロポテトを食べるとか、流石に意味わかんないし。

 

聞いてみた。ものすごく自然にあっさりと、「うん、食べたよ」と頷かれた。

 

何て???

 

こちらの目が点になる。食べたの?マジで?もう一度問うと、夫はまたもごくごくあっさりも、「うん、食べたよ」と全く同じように頷いた。

 

「食べ……え?マジで?トイレでサッポロポテト食べたの?ほんとに?え?」

「うん、食べたよ。俺、トイレでサッポロポテトを食べたよ」

 

私は混乱した。想定していた答えと、相手の反応がまるで違う。

 

正直言って、夫が本当にトイレでサッポロポテトを食べたとは思いもしていなかった。必ず、他の理由があるのだと思っていた。

 

だから、私に勘違いをされて慌てふためいて、「違うよ〜!」などと必死に言い訳をする夫を、からかって遊んでやろう。そういう腹づもりだったのだ。ただただ単に、新しいおもちゃを見つけた子どものような、そういう気持ちだったのだ。

 

「うん、食べたよ」

 

だが夫はもう一度、至って普通の顔で、平然と頷きながらレコーダーのように先ほどと同じ言葉を繰り返した。いや、この人サイコパスか?

 

や、でも。私は立ち止まって考え直す。もしかして、夫にとってはそれが普通なのか。普通と言わずとも何か、それまで過ごして来た地方の習わしというか、「五月の上旬にトイレでサッポロポテトを食べると一年間健康に過ごせる」とか、そういう独自の風習がある地域で暮らしてきた可能性もある。あるか?マジで?いや、わからないけど、無いではない。無いではないなら、あるではないか!

 

「何で、トイレでサッポロポテトを食べたの?」

 

ほとんど文化人類学者のような気持ちで、私は夫に問いかける。夫はぼんやりと首を傾げながら、訥々と答えた。

 

「んー、なんか、トイレでサッポロポテトを食べたことって、今まで無いなあ……ってふと思って」

「そりゃあ無いと思うよ」

 

思わず声に出た。夫は事も無げに頷く。

 

「うん、だから、食べてみようかなって思って」

「???」

「食べながらトイレに入って、便座に腰掛けたまま、食べ終わったんだけど。そしたら、袋だけ忘れて置いてきちゃったみたい。ごめんね」

「??????」

 

夫はバツが悪そうに、少しだけしょんぼりしている。後片付けをちゃんとしなかったのを今になって気にしているらしいが、あいにくこちらはそんなこと気にもならないくらい、頭の中が疑問符でいっぱいだった。

 

やべえ、家族が何言ってるのか全然わかんねえ。

 

こちらの混乱にはお構いなしに、夫はもうこの話題は終わったとばかりにのんびりとコーヒー牛乳を飲んでいた。誤解されるといけないから一応、強調して伝えておきたいのだが、普段の夫は非常に良識的な人である。マイペースでいやにキャピキャピしたところはあるものの、話の受け答えもしっかりしている。むしろ一般的に言うと非常識な性格をしているのは私のほうで、一緒に暮らしていると本当に助けられることばかりだ。

 

それなのに、今のこの状況は何だ。何故こんなにも会話が成り立たない。サッポロポテトか。サッポロポテトのせいなのか。あの美味しさが、魔性のようにこの人を駆り立て、奇行に走らせたのか。

 

「いやあ、でも」

 

サッポロポテトの知られざる魔力におののき、打ち震えることしかできない私に、夫はのんびりと笑ってこう言った。

 

「トイレでサッポロポテトを食べるのって、なんか汚いねえ。もう二度としないと思うよ」

「当たり前だわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人の少女が、メロス(全裸)にユニクロのイージーケアストレッチクロップドパンツを捧げた。

  • 2019.05.07 Tuesday
  • 21:21

気がつけばユニクロの店員みたいな格好をしていることが多い。服装をユニクロに頼り過ぎていて、クローゼットの中の服を適当にとって身につけるだけで、意図せず全身ユニクロコーデが完成してしまうのだ。

 

もともと洒落っ気が薄いせいもあるが、今は通勤が私服のせいもある。ユニクロ以外で服を買おうと思っても、通勤にも使える服…と思って探すと、いつのまにか自然とユニクロに行き着いてしまうのだ。

 

とにかくユニクロに通い詰めているので、オシャレには疎くともユニクロには目敏い。メロスには流行がわからぬ。けれどもユニクロの新商品に対しては、人一倍に敏感であった。

 

あるとき職場で女性の上司が、ユニクロのパンツを着ていた。そのときたまたま、メロスも同じパンツを履いていた。もちろんすぐに気が付いた。あっ、あの人が履いているの、ユニクロのイージーケアストレッチクロップドパンツだ!

 

服の被りに気付いても、メロスは激怒しなかった。ユニクロのヘビーユーザーにはありがちなことだからである。メロスはむしろ歓喜した。お揃いですねウフフ、と声には出さずにこやかな視線を送って、割と大事めの打ち合わせ中だったので何ニヤニヤしてんだと小突かれた。

 

かようにユニクロで発生する不意の双子コーデには慣れたものであるが、ついこの間、とある飲食店に行ったときには少々ヒヤリとする目に遭った。

 

そのレストランでは女性のウエイターさんたちが、5人くらいで忙しそうにホールを回していた。そしてどうもそれが制服の代わりらしく、全員後ろで髪を一つにまとめて、ユニクロのストライプのワイシャツとユニクロの黒いパンツを身につけていたのだ。

 

偶然にも私はそのとき、髪を後ろで一つにまとめてユニクロのストライプのワイシャツとユニクロの黒のパンツを身につけていた。店員さんたちと全く同じ格好である。いや、こんな偶然ある???

 

咄嗟に危ぶんだのは、他のお客さんに店員と勘違いされることである。折悪しくランチタイムで、店内はかなり混んでいた。しかもランチセットにはドリンクバーが無料で付いており、デトックスウォーターとかフレッシュフルーツジュースとか初めて見るハーブティーとか、種々の小洒落たドリンクが様々に用意されていた。

 

絶対全部飲みてえ。メロスは、必ずこのドリンクバーを全制覇せねばならぬと決意した。

 

そういうわけで、店員と全く同じ格好をしているにも関わらず全く店員ではない謎の女が、テーブルとドリンクバーを何度も往復して店内をウロウロウロウロ歩き回るはめになった。これはかなりの混乱を誘った。都合4回は声を掛けられただろう。

 

想像してみてほしい。ドリンクバーで「コーヒー切れてるんでけど…」と声を掛けた店員が、「はあい」と返事してから普通に客席に戻って行って、やおらに飲み食いをし始める様子を。私だったら、ドッキリを疑う。

 

……何で「コーヒーくれ」に「はあい」つっちゃったのか自分でもよくわかんないんですけど、なんか何故かびっくりしちゃったっていうか……妙に照れちゃって……そしたら急にコミュ障になっちゃったみたいな……だから悪気はなくて……ごめんあのときのお客さん……。

 

メロスは、ひどく赤面した。

 

 

 

除霊され 山田と岩鬼は ウインナー

  • 2019.05.03 Friday
  • 16:31

それだけはマジでやめてくれやって感じの趣味に夫が目覚めてしまった。寝ている間に私の寝顔を勝手にスマホで録画して、コレクションしているのだ。

 

いや、やめてくれや頼むから。抗議したら、「まあ見てみなさいよ」と自信たっぷりに件の動画を見せられた。いや。人の寝顔をお出しするときに、そんな「本当に美味しい◯◯を食べさせてやりますよ」って言うときの山岡士郎みたいな顔をされても。しかもお出ししてるの当人相手だし。

 

見た。寝言が凄すぎてびっくりした。本当に全く記憶に無い。びっくりしたので、本人として衝撃を受けた順にランク付けした。まずは第三位から発表していきたい。

 

 

 

第三位  エクソシスト

 

寝言にランク付けしたと言いつつ、のっけから寝言じゃないんですけど、動画に映った自分がはちゃめちゃに白目を剥いていたのでびっくりした。目をカッと見開いて、その上で完璧に白目を剥いていた。ホラー映画でしか見たことない表情だった。

 

「おーい、たまさーん」

 

動画の中で、夫が私の名前を呼ぶ。すると眠っていて意識の無いはずの私が、ぐりん!と一瞬で眼球を回転させ、今度は黒目で真正面から、ひたすらじっとスマホのカメラを見つめた。

 

しばらくするとまた、眼球がぐりん!と回転し、瞬時に白目を剥く。呼びかけらるとまた、ぐりん!と眼球が回転して少しの間カメラと視線が合う。ぐりん!ぐりん!の繰り返しである。怖い。

 

自分はいつもこんなふうに白目を剥いて寝ているのか?と問うと、夫は頷く。

 

「最近は基本的にエクソシストみたいな感じだよ」

「基本的にエクソシストて」

 

除霊される側じゃないか。最近あまり深く眠れていないなとは感じていて、安眠できる方法とか色々調べたりはしていたんですけども。いやあこれでは安眠どころか除霊されて永遠の眠りに就いてしまいますねウフフフフフ誰が上手いこと言えと。

 

 

 

 

第二位  山田と岩鬼のBLの波動

 

この動画は最初、静かに白目を剥いて眠っているところから始まっていた。

 

何本か録画を確認してわかってきた。眠っている間の私は本当に、基本的に白目を剥いている。

 

「おーい、たまさーん」

 

旦那がまた呼びかける。また、ぐりん!がくるのかと思いきや、死んだように眠る私は白目を剥いたまま、突然口を開けて大声で叫んだ。

 

「山田ァ〜〜〜!!!」

 

まっっったく記憶に無い上に、しっかりと意識のある今、どんなに記憶を遡ってみても山田という名前の知り合いに、夢でその名を叫ぶような心当たりが無い。

 

こんなに高らかな勢いで山田の名を叫ぶ奴は、ドカベンの岩鬼くらいではないか。むしろ私は夢の中で、岩鬼になりきっているのではないか。

 

そして本当に記憶にないのだが、叫び終わった後で私は、少しの間だけむくりと起き上がり、気持ち悪い笑顔でちょっとはにかんだように笑った。何故。岩鬼はそんな恋に落ちたような顔はしないぞ。私よ、岩鬼よ。夢の中で山田といったい何があった。

 

 

 

 

 

第一位  ここで一句

 

これは覚えているというか、寝言を言っている最中の記憶は無いのだが、身に覚えはある。夫に揺り起こされて目を覚ましたからである。

 

「ねえ、今、『ソーセージ  実家に帰れば  ウインナー』って一句詠んでたけど、何……?」

 

突然起こされたと思ったらそんなことを尋かれ、いやそんなん言うわけあるかいと思ったが、録画を確認したらばっちり一句詠んでいた。白目ではなく瞼を下ろして、しっかりと目を閉じた、ものすごく安らかな顔で、

 

 

ソーセージ

 

実家に帰れば

 

ウインナー

 

 

と、その言葉の意味の重みや、音の響きを確かめるように、静かにはっきりと呟いていた。

 

 

いや。

 

そんなこと言われても。

 

意味も重みも全然伝わんねえが???

 

 

 

 

他にはなんかあれでした、ひたすらつっかえながら魏志倭人伝を暗誦しようと何度もトライしてるやつとかあって、それは意味わかんな過ぎて本気で怖かったです。

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